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遺産である土地や実家の管理者は誰になるのですか?管理費用は遺産分配の時に考慮してくれるものなのですか?

A. 遺産は,遺産分割までの間は相続人の共有になります。


<管理者>
基本的には相続人全員が,共同して土地や建物の管理に当たることになります。相続財産は,自己の財産を管理するのと同一の注意をもって管理しなければならないとされていますが,これは土地建物についても同様です。

相続人の1人に管理を任せたい場合には,相続人全員で管理者を決めて,その人に管理してもらうことも可能です。また,家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申立て,相続人以外の第三者を管理者とすることも可能です。これらの場合には,管理者は,善良な管理者としての注意義務を有することになります。

<管理費用>
共有の場合には,その持分に応じて管理費用を払う必要があります。

管理費用の例としては,固定資産税等の公租公課、家屋等の修理費・改築費、火災保険料、上下水道料金、電気料金などが挙げられます。
これらの費用について,相続分に応じてその都度集金し,支払うことは煩雑なため,一般的には相続人の代表者が立替払いをし,その相続分に応じた費用の償還を他の相続人に求めるという対応をしています。

また,被相続人が死亡した後に発生した管理費用は相続財産に含まれませんから,本来,遺産分割に含めて精算することはできません。しかし,遺産を分けた後,別途管理費用の清算をするのは二度手間ですから,当事者が合意すれば,遺産分割の中で清算することも可能と考えられています。

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